私の「寅さん」。 [文化の会(映画・テレビ・演劇・本)]
あることがきっかけで映画「男はつらいよ」を1作目から順番に全作観ることを決意し、レンタルで28作まで観て今はひと休み中(これが長いひと休み)だ。
この世の中には、熱い寅さんファンが大勢いるだろう。
私ももちろん寅さんが大好きではあるが、ただ普通に映画を楽しんで観ているだけで、寅さん映画の分析などはできない。でも、少しだけ私の感じていることを書きたいと思う。
私が何よりも好きなのは、「とらや」の人達(おいちゃんは代わっているけれど)、タコ社長、御前様、源ちゃんなど柴又の人たちがいつも変わらずそこに住み、皆日々の暮らしに追われながら成長しながら、寅さんは今頃どうしているのかと心配しながら帰ってくるのを待っている温かさ。
「男はつらいよ」は、゛笑う映画゛というイメージが強いが、決して笑いだけではない。人間同士の微妙な関係が細かく描かれている。気まずい、情けない、切ない、悲しくてやりきれないシーンがたくさんある。地方の風景をみると切ない気持ちになることも多い。
とらやでの寅さんとおいちゃん、おばちゃん、タコ社長らとの大喧嘩のあと、失恋が確定となったあと、寅さんはすぐに旅に出てしまう。(それをさくらが心配そうに見送る)その時の気まずさ、切なさはいつも何ともいえない気持ちになる。でも、少したてば、次にあった時は、皆喧嘩のことは水に流し、謝り合い仲直りしている。そんなさっぱりしているところもとても好きだ。
寅さんの登場シーンもいつも楽しみだ。
とらやの店内から通りを映し皆が寅さんの噂をしている時は、寅さんが帰ってくるのではないかとワクワクして通りばかり見ている。
登場人物も豪華だ。
レギュラーメンバーも豪華だし、ひろしのお父さんは志村喬さん、寅さんのお母さんはミヤコ蝶々さんなのには驚いた。
それに、1作目の倍賞さんのかわいいこと!吟さんのかっこいいこと!
シリーズごとに登場する俳優さんも豪華だ。
私はマドンナよりもマドンナを取り巻く俳優さんたちをみるのが楽しみだ。
細かいことを言うときりがないが、この映画は1作1作が全てつながっているという訳でもない。同じ俳優さんなのに作品が違うと全く別の役で出ていたりもするし、マドンナが柴又に住んでいるのにそれ以降の作品ではばったり会ったりしないのかとか…。(リリーさんだけは何回か出演しているからつながりがある)私的には、細かい部分もつながっていればなーと思う。
そして寅さんは全作フラれていると思い込んでいたが、寅さん側から身を引くような時もあることに驚いた。
寅さんは、常識や社会のルールに関係なく無知というキャラで常識的に生きている人達の心を説き解く。偉人を前にしても垣根がない。この社会の中で生きている人にとって、本当はそういう垣根のない付き合い方をした方が人間くさくていい付き合いができるのだと教えてもらっている気がする。
でも、決して寅さんは全く常識がないという訳でもない。デリカシーもあるし奥手だし、女性に対してはとても純粋で優しい気遣いのある人だと思う。
だらだらと書きたいことを書いてしまったが、今後も温かくて純粋で時々切ない寅さんに会えるのを楽しみにしている。
あと…寅さんの書く下手な字の葉書も楽しみ!(筆跡が作品により違う時がある…私は結構細かいなぁ…)
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